最近、抱っこがずっしり重くなった。
2歳半を過ぎた長女は「だっこー」と言って、両手を伸ばしてくる。
0歳の次女はまだ軽いけれど、1日に何度も抱き上げるから、腕の中はいつも温かい。
抱っこは、愛しさと疲れの入り混じった行為だと思う。
買い物袋を片手に、もう片方で子どもを抱えて階段を上がる。
汗をかきながら「ちょっと歩こうよ」と声をかけても、「だっこがいい」と首を振られる。
腰が痛い、腕がしびれる、でもその体温が伝わるたびに、心の奥がふっとやわらかくなる。
ある夜、寝室で長女を抱いてベッドまで運んだとき、ふと気づいた。
この抱っこの感覚を覚えていられるのは、あとどのくらいだろう。
歩くようになってからも、抱っこをせがまれる時間は少しずつ減っていく。
手をつないで歩く時間が増えて、やがて「もう大丈夫」と言われる日が来る。
そのとき、私の腕の中は急に軽くなるのだろう。
それを思った瞬間、抱いたままの娘の重みが、なんだか胸の奥まで響いた。
この小さな体は、日々確実に成長している。
いつか自分の力で立ち、遠くへ行く。
抱けるうちは、しっかり抱いておこう。そう思った。

次女はまだ赤ちゃんで、抱っこしないと泣いてしまう。
夕方、家事がたまっているのに泣き声が止まらなくて、つい「もう少し待って」と言ってしまう日もある。
でも腕に抱いた瞬間、その温もりに救われる。
体の奥の緊張がゆるんで、ああ、私もこの子に抱かれているのかもしれない、と思う。
抱っこは、子どもを支えるだけじゃなく、親の心も支えてくれるものなんだと思う。
「大丈夫だよ」と言っているのは、むしろ子どものほうなのかもしれない。
夜、寝かしつけを終えて部屋を出る前に、寝息を確かめるのが習慣になった。
丸まった背中、布団からのぞく小さな手。
昼間あんなに大変だったのに、その寝顔を見ると全部どうでもよくなる。

「また明日も抱っこしてね」と小さく願う。
今の重みを、ちゃんと感じておきたい。
思い出になる前に、記憶に刻んでおきたい。
子どもを抱ける時間は、想像よりずっと短い。
でも、その短い時間の中に、何年分ものぬくもりが詰まっている。
大きくなって、もう抱っこしなくなっても、あの重さは心のどこかに残っている気がする。
いつか手を離して歩いていくその日まで。
私はきっと、抱っこの記憶を抱きしめて生きていくんだと思う。
…なんて思った秋の夜長、最近こんなトーンが多いですね😊
なんか本当に疲れているかもしれないです。笑
最後までお読みいただき、ありがとうございました✨